第822章

その言葉を耳にした坂田和也は、足取りがはっきりと止まった。

古川修一は新谷逢弥に親指を立ててみせ、そのまま一緒に病院へ向かう。

病院に着いたころには、坂田和也の額の火傷は小さな水ぶくれになっていた。

医者が簡単に処置をして、「大したことないから帰っていいよ」と告げる。

そもそも大げさにするほどのことじゃない。ただ小林絵里が心配性で、どうしても一度診せたいと言い張ったのだ。

病院を出ると、松本桜が小林絵里の腕にからみつき、何度も口を開きかけては引っ込める。

小林絵里は横目で見て言った。

「言いたいことがあるなら、はっきり言って」

松本桜は背後の男たちをちらりと確認し、小林絵里の...

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