第836章

高川奥さんだけじゃない。技師まで消えた!

 高橋雲は顔色を変えた。瞬時に異変を察し、ベッドから飛び起きて服を羽織ると、足早にドアへ向かって開けようとする。だが――鍵が掛かっていた。内側から、しっかりと。

 高橋雲の表情が沈む。

 高川奥さんは、彼女を売ったのだ。

 坂田和也はいったい、どんな条件を提示した? 高川奥さんが、妹である自分を差し出すほどの――。

 高橋雲はすぐに冷静さを取り戻し、スマホを取り出して電話をかけた。

 「わたし、いま美容院で閉じ込められてるんです。高橋竹が、わたしを坂田和也に渡そうとしてる。お願い、助ける方法を考えて!」

 相手が何かを告げる。高橋雲はよ...

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