第837章

数日が過ぎても、坂田和也は毎日彼女にメッセージを送ってきた。だが、日野安月の手がかりは一つも掴めないまま。

小林絵里もずっと眠れずにいた。

例の動画の勢いはさすがに前ほどではない。それでもトレンドの欄から消えず、じわじわと人の目を引き続けている。

その日、小林絵里は書斎で絵を描いていた。すると、唐突にスマホの着信音が鳴った。

画面に表示されたのは、見覚えのない番号。

一瞬だけ迷ってから、通話を繋げる。

――ようやく、裏で糸を引いている相手が連絡してきたのかもしれない。

「もしもし。どちらさまですか」

冷たく問いかけると、返ってきた声は加工された電子音だった。男か女かすら判別で...

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