第843章

「俺が坂田和也を気にしてるかどうかが、あんたと何の関係があるの? こそこそ隠れてる卑怯者。顔も出せない、声だって自分のを使わないで……いったい何がしたいの?」

 小林絵里は何も見えない。身動きも取れないほど押さえつけられ、抵抗すらできず、言葉だけで相手をえぐるしかなかった。

 ここまで来ても、相手が誰なのかも、目的が何なのかもわからない。

 あまりにも、こちらが不利だ。

 怒鳴り終えた瞬間、手首を掴む手がぐっと力を増した。骨が軋み、砕けそうな痛みが走る。

 絵里は大きく息を吸い込み、鼻で笑った。

「……で、あたしを攫った目的は? 坂田和也を足止めして脅すつもり? 監禁までしておい...

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