第844章

高川寒彦が小嶋家の件に触れないのを見て、松本桜もそれ以上は口にしなかった。

「うん、ありがとう」

松本桜は心からそう言った。

高川寒彦は淡々と返す。

「彼女も俺の友達だ。困ってるなら助けるのは当然だろ。連絡待ってろ」

そう言うなり、通話は切れた。

松本桜はスマホを置き、両手を合わせて祈る。

絵里、どうか無事で……!

背後で扉が開き、古川修一が入ってくる。彼女の顔に張りついた不安を見て、唇をきゅっと結んだ。

「さっき、高川寒彦に頼ったのか?」

松本桜はちらりと彼を見ると、ソファに腰を下ろした。

「人手は多いほうがいいでしょ。あなたも坂田和也も、どっちも当てにならないんだか...

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