第873章

古川家の面々がその知らせを聞いた瞬間、怒りで気が狂いそうになった。

だが、古川家にとって古川修一はたった一人の跡取りだ。本気で縁を切るわけにもいかず、結局は松本桜を受け入れるしかなかった。

そして今、古川家は結婚式の準備の真っ最中。

古川修一が終始つきっきりで監督し、少しでも気に入らないところがあれば即座にやり直しを命じる。

松本桜への執着は日に日に増すばかりで、本人もそれを自覚していないくらいだった。

小林絵里は、松本桜の頬に貼りついた甘い笑みを見なかったことにして尋ねる。

「坂田和也、見かけた?」

松本桜は首を横に振った。

「見てないよ。会場にいないの? でもさ、最近あの...

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