第884章

小林絵里はまだどこか疑っていた。だが、藤原景治の落ち着いた表情を見れば、否定する気などさらさらないのがわかる。

そんな……

本当、だったんだ。

これを松本桜が知ったら、喜びすぎて倒れるんじゃない?

絵里は鼻先に指を当て、そっと視線を引っ込めた。

……

夕方。

藤原天男が戻ってきた。

明日は大晦日。藤原家の面々が次々と集まり、リビングはとりわけ賑やかだった。

絵里はひどく疲れていて、二階で少し眠った。目を覚ましてからもベッドに横になったまま、天井をぼんやり見つめる。

ときおり聞こえる笑い声。外では子どもたちが雪で遊び、きゃいきゃいとはしゃいでいる。

なのに、絵りの胸の内だ...

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