第888章

坂田和也は彼女を一瞥して言った。

「俺が、お前の目に“たいした男”に映ったことがいつある?」

松本桜「……」

たしかに、それはそうかもしれない。

古川修一がくすりと笑い、

「もういいだろ。あいつが回復したら好きに言えばいい。今は勘弁してやれ」

松本桜はじとっと睨み返す。

「別に、なにも言ってないし」

夜は更け、遠くで花火がぱっと咲いては散る。小林絵里は坂田和也の整った横顔を見つめ、ふいに口を開いた。

「坂田和也。あなたに、お正月のプレゼントをあげる」

「プレゼント?」

坂田和いは訝しげに彼女を見る。

小林絵里はそっと自分のお腹に手を添え、やわらかく笑った。

「妊娠し...

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