第919章

松本幸雄は真っ先に、庄司玉輝からの連絡を受け取った。

彼らのスマホには、庄司玉輝が特別に組んだ救援用のプログラムが入っている。ボタンを押すだけで、現在地が即座に同期される仕組みだ。

そのとき松本幸雄は空港にいた。救援通知を見た途端、眉間にしわが寄る。

庄司玉輝に何かあった。

だが、彼は今すぐ海外へ飛ばなければならない。坂田社長からたった今任された案件で、何をおいても早急に片付ける必要があった。

短く思案し、ふいに何かを思い出したように電話をかける。

「……もしもし」

澄んだ、聞き心地のいい男の声が返ってきた。

松本幸雄は言う。「須藤さん、こんにちは。坂田社長のアシスタントをし...

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