第922章

スマホを取り出して画面を見た。保坂初鹿からだ。

この前、彼が彼女を断って以来、初鹿のほうから連絡は一切なかった。なのに、今日はどうして急に電話を……?

「もしもし、保坂嬢」

須藤星皓は通話を受け、丁寧な口調で名乗った。

「今、どこにいるの?」

保坂初鹿の声。

「保坂嬢、何か用ですか?」

「用がある。とんでもない用よ!」初鹿は切迫した調子で言った。「あなたの元上司、私生活がだらしないの。昨日の夜、年寄りの男とホテルに入るのを見た。須藤星皓、騙されないで!」

その言葉に、星皓の眉がきゅっと寄る。

「保坂嬢、証拠は?」

「この目で見たの!」初鹿は言い切った。「こうしよう。場所を...

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