第923章

「どうして……こんなことをしたんだ?」

須藤星皓は相変わらず保坂初鹿を見据え、胸の奥に引っかかっていた疑問をそのままぶつけた。

保坂初鹿はとうとう泣き出し、声を震わせる。

「彼女よ……あの女が、わたしたちを止めたの! あの女さえいなければ、あなたは結婚を承諾してくれてた。そしたら政略結婚なんてしなくて済んだのに! わたし、あの女が憎い!」

それを聞いた須藤星皓の眉間は、いっそう深く寄った。

「違う。彼女は一度も止めちゃいない。俺が、おまえと結婚したくなかっただけだ」

「どうして? どうしてわたしと結婚したくないの? わたしが提案したとき、あなた……迷ってた、揺れてたじゃない! な...

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