第927章

須藤星皓は名刺を取り出し、さらりと言った。「今は建築デザインのスタジオをやってます」

白井亜弥はそれを受け取る。そこには『星月デザイン室』の文字。

連絡先も載っている。亜弥の唇の端に、ふっと笑みが浮かんだ。

名刺をしまいながら、彼女は言う。「わたしは今、坂田グループの製品開発部です。まあ、安定してます」

声の端に、無意識の誇らしさが混じる。

坂田グループは、誰でも入れる会社じゃない。何度も面接を重ね、最後に残るのは優秀な人間だけ。

須藤星皓は小さくうなずいた。「坂田グループは、いい企業だ」

亜弥は彼を見て、探るように訊く。「じゃあ、須藤さんには……彼女、いるんですか?」

する...

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