第930章

庄司玉輝はカップを両手で包むように持ち、フルーツティーをひと口。表情は淡々としたまま、さらりと言った。

「冗談はやめてよ。お兄さんだって、好きな人がいるかもしれないでしょ?」

「いない! それはわたしが保証する!」小川甘乃が即答する。「あの人、ほんっと木みたいな人でさ。昔、女の子に追いかけられてたのに、相手に『物理、何点だった?』って聞いたんだよ? もう、ほんと何言ってんのって感じ」

「ぷっ……!」

隣の女の子がこらえきれず噴き出す。

「どういう意味? 物理でお兄さんよりいい点取れたら、付き合うってこと?」

「違う違う。物理であの人より上だったら、解けない問題を丸投げして『これ解...

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