第933章

警察署に着くと、例の中年夫婦は身元の確認を受けた。

男は保坂邦央、女は木下春花。二人とも口をそろえて、庄司玉輝こそ自分たちの娘だと言い張った。

しかも当時の出生証明書まで持ち出してきたのだ。警察が「なぜ今になって娘を探しに?」と尋ねると、「昔、子どもがいなくなった。親戚がY市で庄司玉輝を見かけて、顔が自分たちに似ているからと連絡してくれた。それで来た」と答えた。

——明らかに、理由は用意してきたものだった。

ここまで警察を動かしてしまった以上、うやむやにして終わらせることはできない。すぐに親子鑑定が手配され、まずは血縁関係の有無を確認することになった。

木下春花は庄司玉輝を見つめ、...

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