第949章

その日、庄司玉輝は病院の人工池のほとりをゆっくり散歩していた。丸一週間も寝たきりで、身体がなまって仕方ない。

そよ風が肌を撫で、こもった熱を少しずつ追い払って、涼しさを運んでくる。

隣を歩いていた小川律和が、気遣うように聞いた。

「喉、渇いてない?」

「少しだけ」

「じゃあ、ここで待ってて。水、取ってくる」

「うん」

庄司玉輝はふわりと笑ってうなずき、背を向けて離れていく彼を見送ると、視線を改めて人工池へ戻した。

この辺りには、散歩がてら空気を吸いに来る人も多い。病院特有の重たい空気が、ここだけ少し軽くなる気がした。

「……ふん。ほんっと、尻軽な女」

そのとき、ねじれたよ...

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