第951章

須藤星皓は薄い唇をきゅっと結び、庄司玉輝の顔から視線を外さないまま、彼女の反応を待った。

庄司玉輝は小川律和へ目を向ける。ふっと笑みを含んだ瞳が、今この瞬間も彼女を穏やかに見つめ返していた。

視線はまっすぐで、やさしい。知り合ってまだ日が浅いのに、不思議と頼れて、安心できる――そんな空気をまとっている。

最高の恋人候補。

いい子にふさわしい男。

けれど彼女は悪い女だ。自分には似合わない。

「ありがとう」

庄司玉輝は手を伸ばして受け取り、彼に向かってにこりと笑った。

小川律和は腕にかけていた上着を彼女の肩にそっと掛け、柔らかな声で言う。

「風が出てきた。冷えるといけない」

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