チャプター 187

サマー視点

「母さんが掛け持ちで働いてる最中に、ふらっといなくなったんだ。二人で使ってた車を乗って、どこへとも知れず消えてさ。共同口座の金も全部引き出して、母さんを病院に置き去りにした。帰る手段もないまま」彼の顎がきゅっと強張った。「母さん、同僚の携帯を借りて俺に電話してきたんだ。バスで帰れるように、こっちから金を送らなきゃならなかった」

私は何も言えなかった。ただ、彼の手をいっそう強く握った。

「サマー、そのことはどう言えばいいのかわからなかった」彼は言った。「屋台がだめになったことなら、まだどうにかできる気がした。でも、これは……」彼は首を振った。「これはもう、あの人そのものなんだ。...

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