チャプター 197

サマー視点

メイソンの腕はまだ私に回されたまま、指が肩に食い込んでいた。逃げられない。動けない。できることといえば震えながら、吐かないように必死で堪えることだけだった。あいつの香水の匂いがそこら中にまとわりつき、喉を締めつけて、七年生と八年生のころの最悪の瞬間を片っ端から引きずり出してくる。

「なんだよこれ?」メイソンの声が、さっきより近い。熱い息が耳にかかる。「パニック発作かなんか?ヘイズ、お前大丈夫か?」

その手が私の顔へ動き、指先が頬に触れた――八年生のとき、ロッカーの前で逃げ場を塞がれたあの触れ方。廊下で手首を掴まれて、「昼飯に食堂を丸ごと食ったのか?」なんて言われた、あの所有物...

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