第六十八章

キエラン視点

振り向くと、そこにいた。ブレイクと、漕艇部のほかの二人――全員がセント・ジュードのアスレチックジャケットを着込み、駐車場を横切るように自転車を押している。ブレイクがベルを鳴らした――チリンチリン――この世でいちばん愉快なことでも見つけたみたいに。

「本、もらったのかよ?」ブレイクが甲高い声で真似る。両手を胸に当てて。「ちっちゃいメモまでついて? あー、ロマンチックだこと――」

「気をつけろよ、クロス」タイラーが言った。声だけはわざとらしく心配そうに。「先月はプリンセス、エヴァンにべったりだったんだぜ。今度は奨学金組とお近づきってわけか。飽きるの早いよな」

「エヴァンは筋金...

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