第六十九章

キアラン視点

午後十一時十七分、アパートのドアが背後でカチリと閉まった。狭い廊下にしばらく立ち、闇に目が慣れるのを待つ。ハッピー・パティの油の匂いがまだ服にまとわりついていた――揚げ油と食器用洗剤。地下の共同洗濯機で仕事用のシャツを何度こすり洗いしても、完全には落ちない臭いだ。

母さんの寝室のドアは閉まっている。リリーの部屋の下からは、ナイトライトがかすかに漏れていた。

バックパックをソファの脇に落とし、まっすぐ浴室へ向かう。歩きながらシャツを脱いだ。お湯が出るまで少し時間がかかる――この建物じゃいつものことだ――だが、ようやく熱が来ると、シャワーの下で肩がひりつくほど浴びてしまう。ここ...

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