第5章
あの手術から、ちょうど三年が過ぎた。
私はずっとベッドで身体を養っていた。けれどサイモンの噂だけは、半つ大陸も隔てた場所から、絶え間なく耳に流れ込んでくる。
――完全に壊れたらしい。
あのとき狼医は、彼の命を無理やり繋ぎ止めるために、私の血にまみれた機械の心臓を、胸腔へねじ込んだ。目を覚ましたサイモンは、己を欺いた召使いたちを皆、肉塊に変えたという。
私はソファにゆったりともたれ、侍衛長から差し出された薄い端末を受け取った。
「王妃、東南区で傍受した地下水牢の監視映像です」
侍衛長は恭しく頭を下げる。
画面の中は暗い。だが、私ははっきり見分けた。
ライラー。い...
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