第8章

 一年後。

 全連盟最高規格のホログラム中継カメラが、今まさに壮麗な狼人大聖堂のドームを正面から捉えている。これは私とケイレンの世紀の結婚式。数十億の視聴者がライブ配信越しに、全土でもっとも尊き純血の結びつきを見届けていた。

 ケイレンが私の手を取り、絶対の権力と忠誠を象徴する結婚指輪を、そっと私の指へ通そうとした――その瞬間。

 重厚な両開きの扉が、外側から乱暴に叩き破られるように開いた。

 鼻を突く、吐き気を催すほどの腐臭が一気に礼拝堂へ広がる。私は振り向いた。

 扉口に、サイモンがふらふらと姿を現した。身にまとっているのは、おそらく彼が見つけられた中で一番まともなスーツ――だ...

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