第101章 私をいじめて、楽しい?

芳丸巡哉は、あの手の道化じみた連中に構う気もない。白川凰姫の肩を抱き寄せ、声を落として言った。

「帰ろう」

彼の歩みは揺るがず、白川凰姫のヒールが、こつ、こつ、と澄んだ音を刻む。

並んだ背中は、ひとりは高く真っ直ぐで、ひとりは細く凛としていて――柔らかな照明の下、不思議なほど噛み合って見えた。

川瀬清子はその後ろ姿を見送り、長く息を吐く。全身の力が抜けて、ようやく呼吸ができた気がした。

腕を組んだまま振り返り、青ざめて声も出せない「同級生」たちを見渡す。とりわけ、今にも泣き崩れそうな松本灯彩へ視線を留めて――

「……ふん」

鼻で笑い、肩をすくめた。

何も言わない。けれど、その...

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