第105章 白川逸也が気に入らないだけ

「止まりなさいよ! この薄情者! 家がこんなことになってるのに、どこへ遊びに行く気!」

温水鈴花は目を真っ赤にして、彼の背中を指さしながら罵った。

白川逸也は振り向きもしない。

「うるせえ」

乱暴に叩きつけられた玄関の扉を見つめたまま、温水鈴花は怒りで目の前が暗くなり、そのままソファへ崩れ落ちた。

「王朝」クラブ。

金と光が溢れ、酔いと欲が渦巻く場所。

白川逸也は個室の扉を蹴り開けるようにして入ると、仲間たちが待ってましたとばかりに群がってきた。

「おっ、白川殿! 今日はどんな風が吹いたんです?」

「最近、白川家って賑やからしいじゃん?」と、わざとらしく笑う声も混じる。

...

ログインして続きを読む