第118章 彼女の才能

白川凰姫はプロジェクターのスクリーン前へ歩み出ると、疑いと野次馬の視線が入り混じる中、設計図を細部拡大モードに切り替えた。

「従来の留め方だと、どうしても重たく見えます。だから私は、中国のほうの榫卯構造を使いたいんです」

そう言って身を屈め、ミクロサイズの蟻継ぎ――燕尾榫の形をさらさらと描く。

「プラチナの極細線を骨格にして、太い爪留めの代わりにする。蛹殻の内壁に、極小の榫卯でメレダイヤを正確に嵌め込むんです。そうすればダイヤは蛹の中で浮いて見える。光がどの角度からも抜けて、蝶の翅が破れる直前みたいに、内側から生命が滲み出す光暈を作れます」

ペンを置き、レオを見る。

工房は、しんと...

ログインして続きを読む