第120章 闇の中の駆け引き

彼は、すべての矛先を白川凰姫へ向けた。

芳丸巡哉の眼差しが、半分ほど冷える。

「会社のことは、俺が判断する」

芳丸徳安は眉間を指で押さえ、ふと視線を上げた。全面ガラスの向こうでは、白川凰姫が忙しなく動いている。

「それがお前の判断か? そばにいる坂東も止めもしないで、お前のわがままを好きにさせてる。あいつは補佐として力不足だ。人を替える。俺が手配する」

芳丸巡哉が目を上げる。――自分の人間に手を出す気だ。

静かなまま、父の怒気を受け止めた。

「坂東は十分やってる。替える必要はない」

波のない声。それでも、拒否の刃だけははっきりと立っていた。

芳丸徳安のこめかみがぴくりと跳ね...

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