第142章 急に優しくされると、慣れません

彼女は終始、冷静でプロフェッショナルだった。受け答えは論理的で筋が通り、画面の向こうの百戦錬磨のドイツ人技師ですら、惜しみない賛辞を送ってきたほどだ。

会議が終わると、レオがふうっと大きく息を吐き、彼女に親指を立てた。

「すごすぎる! ほんと助かったよ。君がいてくれてよかった!」

白川凰姫は口元をわずかに引いた。笑みの形だけで、目は笑っていない。

資料をまとめ、席を立とうとした瞬間。会議室のドアが押し開けられた。

安藤汐がコーヒーを二杯、トレイに載せて入ってくる。顔には、いかにも『できる秘書』らしい整った笑み。

「レオ部長、白川嬢、お疲れさまでした。お二人にコーヒーを淹れてきまし...

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