第145章 離婚しないでくれないか?

朝からほとんど何も口にしていない。神経は張り詰めたまま。

ついに身体が限界を訴えた。

白川凰姫は机の縁に手をつき、倒れそうになるのを必死でこらえる。顔色は紙みたいに真っ白だった。

向かいの太田も異変に気づき、ただでさえ尖っていた警戒心がさらに研ぎ澄まされる。

「お前……」

「大丈夫」

白川凰姫は一度、息を整えた。バッグからチョコレートを一粒取り出し、口に放り込む。

舌の上で甘さがほどけ、ぐらつきがわずかに引いていった。

太田を見る。視線は、ひび割れて荒れた、油で黒ずんだ手に落ちた。

「太田さん。あなたの目的は金で人を助けることよ。ここで私たちと消耗戦をすることじゃない」

...

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