第150章 お前は俺・芳丸巡哉の妻だ

「……私のせいで、あなたに迷惑がかかるとか。芳丸家の名に泥を塗るとか。もう、そんな心配はしなくていい」

「私を放して。あなたにとっても、芳丸家にとっても、それが一番いい選択だから」

芳丸巡哉は答えなかった。

病室は、針が落ちる音まで聞こえそうな静けさに沈む。

白川昭修と温水鈴花は芳丸巡哉を見た。芳丸家の実権を握る男が、自らを「殺人犯」だと名乗った白川凰姫に、どんな裁きを下すのか。

――二人は、もう算段をつけていた。

芳丸巡哉が凰姫を捨てたあと、今度は相良沢弥に売ればいい。

この「出来のいい娘」は、二人の男に忘れられないほどの執着を残せる。そういう才がある。

追放。嫌悪。線引き...

ログインして続きを読む