第151章 残りの一生を使って、あんたを憎む

黒い瞳には、波ひとつ立っていなかった。

「俺は、当時なにがあったのかなんて――知りたくもない」

その言葉は、白川凰姫の予想を完全に裏切った。

彼女は、呆然とする。

気にしない? 知りたくない?

そんなはず、ない。

人の命が絡んでいる。

それは彼女が何年も背負ってきた、原罪だった。

「お前が脅されるのが嫌いなんだ」

芳丸巡哉の視線が彼女を貫く。拒む余地のない圧で。

「俺以外にな」

さらりと言ってのける。なのに傲慢で、息が詰まるほど。

白川凰姫の心臓を、見えない手がぎゅっと掴んだみたいだった。呼吸が浅くなる。

彼は芳丸徳安と同じ種類の人間だと、ずっと思っていた。

家の...

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