第27章 これは始まりにすぎない

昨日まで、あいつは――彼女が「汚名」を着せられたことに激昂していた。

それが今日、この一枚の写真が、いちばん直截で、いちばん反論しようのない形で、彼女の頭に二つの致命傷を叩きつけたのだ。

「盗作」と、「忘れられない過去」。

――彼女を一躍有名にしたあの作品の発想源は、別の男との「おそろいのタトゥー」だった。

――いわゆる『涅槃』が弔っていたのは再生なんかじゃない。彼女が手放せなかった旧い恋、その記念に過ぎない。

じゃあ、俺は何だ。

俺が彼女のためにしたことは何だった。

他人の「未練」のために道をならしてやっただけか。勝手に舞い上がって。

コンテストの前、彼女は約束したはずだ。...

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