第38章 彼はやはり手放せない

胸の奥にある矜持と自負が、この勝負で退くことを許さなかった。ここで受けなければ――怖気づいたと思われるだけだ。

白川凰姫は自分のスマホを取り上げ、アカウントにログインする。細く長い指が画面を叩き、嘲るように、そして傲然と文字を打ち込んだ。

【先輩がそこまで乗り気なら、お付き合いしますよ。所詮はゲームですし、負けそうになって泣き言はナシで】

たった一文で挑戦状を受け取ったうえ、まるで自分が「手を差し伸べてやった」かのように、高みから施してみせる。応じること自体が白川凰姫からの大きな恩恵だと言わんばかりに。

投稿が出た瞬間、ネットは沸騰した。

トップデザイナー同士の激突。メディアは一斉...

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