第46章 以前よりも彼を惹きつけるなんて

「手打ちだと?」

相良沢弥の顔から、笑みがすっと消えた。

「どういう意味だ。俺に約束しただろ……」

「約束したのは、チャンスをあげるってこと」

白川凰姫は言葉を遮り、唇の端をわずかに吊り上げる。淡く、残酷にさえ見える弧。

「五年前、あなたが選んだ「あの選択」の代償を、払わせるためのチャンスよ」

相良沢弥は信じられないものを見る目で彼女を見た。

「……俺を利用したのか?」

「人は変わるものよ。違う?」

白川凰姫の眼差しは、まるで初対面の他人へ向けるそれだった。

「五年前、あなたが出世のために私を捨てたとき――あなたは変わった。私はただ、あなたのやり方を覚えただけ。自分を守る...

ログインして続きを読む