第57章 あんたの代わりに一つの人命を背負う!

白川凰姫は小さくうなずき、彼に手を引かれるままソファへ向かった。

「腹、減ってないか。キッチンに何か作らせる」

「いらない」白川凰姫は首を横に振り、迷ってから、結局口にした。

「白川家……何かあったの?」

「……ああ」芳丸巡哉は短く答える。

「いくつかの取引は、止めた」

淡々とした口ぶり。けれど白川凰姫には、それが何を意味するか分かっていた。

白川家程度、巨大な商業帝国に踏み潰されるのは――道に残る取るに足らない轍みたいなものだ。

胸の内で、言葉にできない感情が渦を巻く。

けれど最後には、すうっと静まった。

――あれは、あの人たちの報いだ。

夜。芳丸巡哉は急な海外とのビ...

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