第71章 お茶で酒の代わりとする

アレッサンドロの深い青の瞳に、ほんのわずかな探る色が走った。

江口梓月の言葉が、彼の興味――あるいは警戒心を刺激したのは明らかだった。

彼が何より重んじるのは、組む相手の「純度」と「プロとしての筋」である。

もし白川凰姫が、夫の名声を背に社交の場で遊ぶだけの名門夫人にすぎないのなら、この取引の価値は改めて測り直さなければならない。

レオもようやく空気の異変に気づいたのか、顔の笑みが引きつる。江口梓月を見て、無表情の白川凰姫を見て、額にじわりと汗が浮いた。

張り詰めた糸が今にも切れそうな、その瞬間――白川凰姫がふっと笑った。

さっきまでの礼儀正しく距離のある笑みではない。

ごく薄...

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