第80章 お婆さん、私は後悔しない

白川凰姫は笑った。

世間話でもするみたいな口ぶりで言う。

「あなた、勝算のないことは絶対にしない人でしょう。で、相良沢弥に何を握られたの?」

温水鈴花は図星を刺され、顔を真っ赤にして声を荒げた。

「何を言ってるの! 私はあなたのためを思って――!」

「いい加減にして!」

白川凰姫は震える声で吐き捨てる。

「一度私を売ったくせに、今度は二度目?」

温水鈴花は一転、刺々しく、やけに率直な声になった。

「相良家がうるさいのよ。結納はもう受け取ったんだから、こっちだって困るの!」

白川凰姫の胸が、どすんと沈んだ。声が冷える。

「結納? 誰の結納を受け取ったの」

「誰って、沢弥...

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