第87章 彼女が他の男に笑いかけるのが好きじゃない

加賀景淳の顔色が、いくぶん白くなった。

白川凰姫の怒りは「かっ」と一気に燃え上がる。

芳丸巡哉に冷笑されるくらいなら耐えられる。けれど、彼があんなふうに上から目線で、罪のない人間を踏みにじるのだけは我慢ならなかった。しかも相手は、かつて本気で自分を助けてくれた友人だ。

「先輩のデザインは、市場に媚びるためのものじゃありません!」思わず反論が飛び出し、声が少し裏返る。「先輩の作品はアートです。ちゃんと魂がある!」

「アート?」芳丸巡哉が鼻で笑った。そこにあるのは露骨な嘲りだけ。「相変わらず、甘いな」

白川凰姫は怒りで笑ってしまう。

「デザインって何か、あなたに分かるの? 金で殴るこ...

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