第102章 古賀硯司、出て行け!

小野寺彩音はぱちりと瞬きをし、すっと背筋を伸ばした。顔色一つ変えず、堂々と嘘をつく。

「古賀社長に書類をお届けに参りました」

法務部長は訝しげな顔をした。「アカシテクノのプロジェクトチームからは、もう外れていらっしゃいませんでしたか?」

小野寺彩音は言葉に詰まる。

一介の部長ごときが、どうして乙側のチームメンバーのことまでそんなにはっきり覚えているのよ!

「古賀社長、では我々はこれで……」市場部長が口を開き、その場を辞そうとする。

「入れ」

古賀硯司は彼らを入室させると、自身はデスクの後ろの椅子に腰を下ろした。

二人は仕方なく、硬い表情でオフィスへと足を踏み入れる。

小野寺彩音は...

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