第12章 古賀硯司、クソ野郎!

小野寺彩音は深く息を吸い込み、法律事務所に面倒をかけたくない一心で、どうにか体面を保った笑みを浮かべた。「古賀社長、あなた——」

彼女がその言葉を言い終える前に、古賀硯司はすでに視線を外し、クライアント様特有の傲慢さで、何の反応も示さずに役員たちを引き連れて足早に去っていった。

小野寺彩音「…………」

クソ野郎!

古賀グループの一行が去ると、プロジェクトチームのオフィスは蜂の巣をつついたような騒ぎになった。

「やばいやばいやばい! あそこのトップ、めちゃくちゃイケメン!」

「見た感じすごく若そうだけど、結婚してるのかな。まさに社会の優良物件だね!」

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