第203章 その心臓は古賀景舟のもの

「どうしていらっしゃったの?」

 四季嫦は古賀硯司に問いかけたが、その口調に疑問の色はあまりなく、まるで彼が来ることを予期していたかのようだった。

「あなたこそ、ここで何を?」

 古賀硯司は逆に問い返す。

「どう思う?」

 四季嫦はウールのショールを整え、眉を上げて古賀硯司に問い返した。

 二人の間の空気が妙に張り詰めていくのを見て、小野寺彩音は自ら口を開いた。

「おば様、後で私と硯司さんでお送りしましょうか?」

 四季嫦はそこで初めて小野寺彩音に視線を向け、数秒後、傲慢に頷いた。

 江沢冬弥は少し離れたテラスで日向ぼっこをしていたが、そばにいたボディガードが小野寺彩音に気づき、彼に...

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