第279章 古賀硯司、君はひそかに怒っているのか?

「古賀社長、救急車がもうすぐ下に到着します!」

周藤啓が人垣を押し分けて駆け寄り、江沢冬弥を背負ってエレベーターへと向かう。「みんな、どいてくれ! もしものことがあったら、道を塞いだ者全員が責任を問われるぞ!」

どうして責任を問われるのに見物人まで含まれるのか?!

それを聞いた人々は、慌てて道を開けた。

小野寺彩音たちが去った後、残された人々は顔を見合わせ、ひそひそと囁き合う。

「どういうこと? ずいぶん派手にやったな」

「まさか。古賀硯司が自らあの男を抱きかかえて出てきたのを見なかったのか? 彼が小野寺彩音に誰かが手を出すのを許すと思うか?」

「あの男は誰だ? 古賀硯司から女を...

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