第288章 小野寺彩音が私を害した

南韻が救急車を呼び、南野知意を運ばせた。

急性薬物中毒の処置は簡単なもので、南野知意に命の別状はなかったが、その姿はどこか惨めだった。

ベッドに横たわり、真っ青な顔をしている南野知意を見て、南韻は胸が張り裂けそうになる。しかし、次の瞬間、小野寺彩音の言葉が脳裏をよぎった——南野知意が薬を盛ったせいで、別の誰かが命を落としかけ、今この瞬間もまだ退院できていないのだと。

そして、その全ての元凶は、南野知意が小野寺彩音に薬を飲ませ、不貞の罪を着せようとしたことにある!

かつて自分はそのような罪を背負わぬために死を偽装して去ったというのに、今となっては……。

「マミー……」さっきまで心配と優...

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