第289章 古賀様ダメ?もっとチャンスをくださいよ!

夏休みに入り、小野寺彩音は頻繁に大学へ行く必要がなくなった。週に一度、指導教官に論文の進捗を報告するだけで、やり取りはほとんどメール。ずいぶんと暇になった。

外界の噂については、自分に関するものであれ南野知意に関するものであれ、一切目を通さなかった。

——どうでもいい人や事が、自分の気分や生活リズムを乱すべきではない。

洛条北兎は妊娠後期に入り、三十三週の赤ちゃんはもうすっかり形になっていた。エコー検査の際、ちょうど赤ちゃんが洛条北兎のお腹の中で細い何かで遊んでいるのが見えた。

「赤ちゃん、へその緒で遊んでますね」医者は小野寺彩音の物珍しそうな表情を見て、笑いながら説明した。

「わあ...

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