第309章 古賀硯司、あなたはこの子が欲しくない

「彩音?」

古賀硯司はなかなか出てこない彼女を待ちきれず、洗面所のドアをノックした。

「どうしたんだ?」

小野寺彩音は返事をしなかった。

古賀硯司の顔色が変わる。

「すぐに出てこないなら、救急車を呼ぶぞ」

そう言いながら、彼はすでにドアを蹴破る準備をし、スマホを取り出していた。

次の瞬間、洗面所のドアが内側から開き、複雑な表情を浮かべた小野寺彩音が出てきた。

「どこか具合が悪いのか?」

古賀硯司は彼女を支えながら上から下まで見回す。気のせいか、彼女の顔色はずいぶん悪くなったように感じられた。

「先に病院へ行こう、いいか?」

小野寺彩音は手を差し出した。

「それなら、産婦人科に行く必...

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