第330章 お見合い市場はゴミ漁り

「神崎さん、どうしたの? 心ここにあらずって顔してるけど」

同僚の声に、神崎暁はハッと我に返った。そこでようやく、自分が長いこと物思いに耽っていたことに気づく。

神崎暁は笑って誤魔化した。

「契約書のことを少し考えていて」

考えていたのは……高橋樹が、何の用で古賀硯司を訪ねてきたのかということだ。

このところ、彼女と高橋樹の関係は冷え切っていると言っていい。彼はわざと古賀硯司に接触することで、彼女を動揺させようとしているのか、それとも……彼女の様子を探ろうとしているのか。

さすがにそれは、自意識過剰というものだろうか。

ショートヘアの同僚が身を乗り出し、不意に声を潜めた。

「ねえ神...

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