第335章 君のことになると、冷静でいられない

ほどなくして、神崎暁のもとに高橋の母君から電話が入る。

「お嬢様、招待状は届いていまして?」

神崎暁は手元の招待状を見つめ、淡々と「ええ」と答えた。

「身の程を知って身を引く気がないようですから、貴女とわたくしどもの住む世界にどれほどの溝があるか、その目で確かめにいらっしゃいな」

高橋の母君の口調には、生まれながらの特権意識が滲み出ていた。

神崎暁は片眉を跳ね上げた。

気に入らない『嫁候補』をわざわざ自分たちが主催する宴席に招くなど、賢明なやり方ではない。いわゆる上流社会というものを見せつければ、彼女が萎縮するとでも思っているのだろうか? むしろ、その煌びやかさに目がくらみ、彼女の...

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