第336章 婚約者が来た

二日後。

高橋の母君の誕生パーティーは、夜に予定されていた。

昼食を過ぎた頃、数人のスタイリストが何着ものオートクチュールのドレスを抱えてマンションを訪れた。すべてのドレスが、あつらえたように神崎暁のサイズに合わされている。

「神崎さん、これらはすべて高橋社長がご用意されたものです。どちらがお気に召しますか?」

スタイリストが笑顔で尋ねる。

神崎暁は、ソファに腰を下ろして仕事のメールに目を通している男へ視線をやった。

その視線に気づいたのか、男はこちらを振り向くと口を開いた。

「もしどれも気に入らないなら、自分の服を着ていけばいい」

あの朝以来、神崎暁は相変わらずつれない態度を崩...

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