第338章 両刀使いを好きになってはいけない

周囲が驚愕のあまり言葉を失う中、神崎暁はその場を後にした。

人気(ひとけ)のない場所を見つけ、かつては嫌というほど馴染みのあった携帯番号へとかける。

「桜庭凱、今いい? 話があるの」

「お前から俺に話だと?」桜庭凱は嘲るような口調で応じた。

かつて彼は、神崎暁を完全に支配できていると信じて疑わなかった。だが、ここ一年の出来事が、彼に冷徹な現実を突きつけていた——

「神崎暁、まさか高橋樹にバレちまったんじゃないか? お前が見かけ通りの従順な清純派なんかじゃないってことが。それで捨てられて、俺のことが恋しくなったか?」

その言葉に、神崎暁は胸の奥から込み上げる吐き気を覚えた。だが不快感...

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