第343章 高橋樹、お前は恋愛脳みたいだ

「ピンポーン——」

エレベーターが到着し、扉が開く。

神崎暁の足取りは重い。一秒ほどの間を置いてから、高橋樹の後を追うようにして乗り込んだ。

「ごめんなさい、高橋樹」

神崎暁は、高橋樹の目を見ることができない。

たとえそれが自らの意思で選び取り、熟考の末に決断したことだとしても、彼に謝罪すべき借りがあることは分かっていた。

「俺に隠し事をしていたことへの謝罪なら、受け入れる」

要するに、それ以外の理由なら受け入れないということだ。

神崎暁はようやく顔を上げ、エレベーター内の鏡越しに彼の姿を見た。

「高橋樹、どうして理由を聞かないの? お母様の誕生日パーティーに泥を塗ってしまっ...

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