第380章 おめでとう、大吉

翌日。

微睡みの中でふと気配を感じ、神崎暁は目を開けた。すると、すぐ枕元に高橋樹が座っているのが目に入り、心臓が跳ね上がる。

「何してるの?」

スマホで時間を確認すると、まだ朝の八時だ。彼の態度だけ見れば、昼まで寝過ごしたのかと勘違いするところだった。

「山に行くんだろう?」

高橋樹はあえて「おみくじ」という言葉を避けた。迷信深く、馬鹿げているように聞こえるのが嫌だったからだ。

神崎暁はそこでようやく、自分が以前口にした言葉を思い出した。高橋樹はそれを律儀に覚えていて、まるで遠足を待ちきれない子供のように急かしているのだ。

「そんなに急がないでよ」

神崎暁はのろのろとベッドから...

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